悪事通報アプリ

雑草が背の高さまで茂っていて、その中を歩くとチクチクして痛い。

三方は高い建物に囲まれていて空き地とはいえ中に入ってしまうと外からその様子を確認するのは難しかった。

「美羽になにを頼まれてるの?」
空き地の奥まで移動してきてようやく足を止めた晴希に蒼が聞いた。

「こいつに万引させてこいってさ」
晴希の言葉に私は目を見開いた。

まさかこんな朝早くから万引させられるとは思っていなかった。
てっきり、今日は放課後に呼び出されて万引する店まで連れて行かれるとばかり思っていた。

「美羽ってそんなにお金ないの?」
本人がこの場にいないからか、蒼は呆れ顔だ。

蒼が美羽と一緒にいる理由は、友達だからとかそういう理由じゃなさそうだ。

イジメっ子同士の友情なんてモロイものだと思っていたけれど、それはあながち間違いじゃなさそうだ。

「知らねぇ。ってことで、お前そこのコンビニで飲み物盗んで来いよ」

晴希も美羽のことなんて基本的にはどうでもいいのだろう、ただ、言われたことをそのまま私へ向けて伝えているだけみたいだ。

「飲み物?」