悪事通報アプリ

どうやら口の中を切ってしまったみたいだ。
「嫌ならお金出してくれる? 私達貧乏で、可愛そうなんだよねぇ」

美羽が後ろで笑いながら言った。
蒼も晴希もそれを見て同じように笑っている。

目の前に血を流しているクラスメートがいるのになにがおかしいんだろう。
ぼんやりとした頭でそんなことを考えると、一瞬花乃の顔が脳裏に浮かんできた。

花乃、花乃は大丈夫だろうか。
どこに隠れているんだろう。

顔を巡らせて確認したかったけれど、美羽たちにバレるのが怖くてできなかった。
バレたら、また花乃までターゲットにされてしまう。

今度はふたりともイジメられることになるだろう。
「ねぇ、聞いてる?」

美羽が私の顔を覗き込んできたので、私は左右に首を振った。
「お金は……持ってないよ」

本当のことだった。