悪事通報アプリ

だけど雄馬は興味なさそうに新しいたタバコに火をつけはじめた。
「あんたも吸う?」

美羽が吸いかけのタバコを差し出してきたので思いっきりしかめっ面をしてしまった。
タバコはやらないし、大嫌いな人間が口をつけたものなんて見たくもない。

だけどソレが悪かった。
次の瞬間に美羽の平手打ちが飛んできていたのだ。

バチンッと頬をはつる音がして、左頬がジワリと痛む。
時間が経てばたつにつれて、それはジンジンと痛みを増していくようだった。

「なにその顔。私を汚いものみたいな目で見て」
「……そんなことない」
否定しても、また殴られる。

2度目に飛んできた手をかわそうとして体のバランスを崩し、倒れ込んでしまった。
昨日は綺麗なままだった制服が、早くも汚れてしまった。
今日はお母さんの帰りは何時だったろうか。

そんなことが脳裏をよぎった。
「タバコは必要ないみたいだから、要件だけ言うね?」
美羽が私を見下ろして「お金、ちょうだい」と言った。

今までは教室内でイジられたり、悪くても呼び出され暴力を振るわれるくらいだった。
金銭の請求はこれが初めてだった。

私は目を見開いて美羽を見つめた。