悪事通報アプリ

☆☆☆

放課後一緒に遊びにいく友達はいない。
休憩時間に騒げる相手もいない。

その結果、私は時間ができると教科書を取り出して読むようになっていた。

川並正則のように小説や漫画を読めばいいのかもしれないけれど、読書の趣味はなかったから。

そうした生活をしていると皮肉なことに成績は少しずつ良くなってきていた。

1年生の頃は平均点くらいだったけれど、今では平均点プラス10点は取れるようになっている。

かといってそれが嬉しいわけじゃない。
私が勉強するのは今言ったように誰ともしゃべらない時間が多いから。

そしてもうひとつ理由を上げるとすれば、美羽たちよりも優秀でいたいから。

誰も私の成績なんて気にしていないと思うけれど、美羽たちよりも優秀であることで微かな優越感に浸っている。

ただ、それだけのことだった。
「ねぇ、教科書貸してくれない?」