悪事通報アプリ

これ以上傷つけられたくはないし、そもそも傷つけるようなことをした覚えもない。
私は拳を握りしめて左右に首を振った。

それを見た花乃がホッとしたように笑みを浮かべる。

「だよね。それならよかった。もし他人を守って自分が傷つく方を選ぶんだったら、もう私にできることはなにもないから」

「他人より自分が大切だよ。花乃は友達だから守りたいと思っただけ」
花乃がイジメられているのを見るのは私自身も耐えられなかった。

まるで自分がイジメられているように胸が傷んだから、助けずにはいられなかっただけだ。

それは結局自分のためにもなっている。
「ありがとう。それで、今日の出来事で考えたことがあるの」
「考えたこと?」

見ると花乃の目は輝いている。
なにかいいことを思いついた子供みたいな目をしている。

「明日もアプリを使うの。それで、あいつらが原因でもそうじゃなくても、押し付けちゃえばいいんだよ」

「美羽たちに悪事を押し付けるってこと?」
花乃は大きく頷いた。