悪事通報アプリ

確かに私は無事だった。
だけどなんの非もない川並正則が被害にあってしまったことが、心苦しくて仕方ない。

「学校に戻ってきたらちゃんと謝らないと」
「なにを?」

「だって、私のせいであんなことになったんだし」
そう言うと花乃の表情がこわばった。

私の両肩を痛いほどに掴んでくる。
「それはダメ。あの薬品が本当は誰にかかるはずだったのか、知ってる人は誰もいないんだから」

「そうだけど……」
アプリで川並正則の名前を選んでしまったことがどうしても頭から離れない。

あの時はアプリのことなんて信じていなかったとはいえ、やるべきじゃなかったんだ。
「大丈夫だから。夢奈はなにもしなくていいから」

花乃に言われて、私は渋々頷いたのだった。