悪事通報アプリ

なにか言いたいけれど、言えない。
立ち上がりたくても、立ち上がれない。

ドクドクと流れ出す血が暖かくて、妙に眠くなる。
そ、車から美羽が下りてきた。

美羽はそこにいるのに、どうして?
視界がかすれているから、そう見えているだけかな?

その人物が近づいてきてしゃがみこんだ。
美羽によく似ているけれど、美羽よりも大人っぽいその人はニヤリと笑った。

「やっとお前たちを轢くことができた。よくも私の妹をイジメてくれたな!」

妹……?
「お姉ちゃん!」
後ろから青ざめた美羽が駆け寄ってくる。

「大丈夫よ美羽。お父さんがどうにかしてくれるからね」
その女性は美羽を優しく抱きしめて、私の意識は遠のいて行ったのだった。