悪事通報アプリ

☆☆☆

交通事故は回避された。
これでまた平和が戻ってくる。

そう、思っていたのだけれど……。
「なんで!?」

翌日も公園でアプリを確認してみたとき、私は思わずそんな声をあげていた。
画面には『交通事故に遭う』と書かれている。

これは昨日見た文章と全く同じものだった。
「もしかしてアプリが壊れたんじゃない?」
横から花乃が言うので私は首をかしげた。

アプリが異常を起こしている可能性は否定できない。
だけどこのままほっとくのは気持ち悪かった。
「とにかく、今日は晴希に押し付けておこうかな」

誰かに押し付けておけば、これが本当のことでも回避することができる。

「そうだね。そのアプリももうほとんど使ってないし、アプリを削除してもいいかも」

花乃がそんな風にアプリに頼ろうとしないのは珍しいことだった。
それくらい、私達の生活は変化したということだった。

「そうだね。でも事故についてはちょっと気になるから、もう少し様子を見ようかな」