悪事通報アプリ

教室のあちこちから悲鳴があがる。
晴希がこんなに怒っている原因は、昨日私と美羽たちが一緒に昼ごはんを囲んだことにあるらしいことがわかった。

あれは美羽が考えたセコい保身のためだったのだけれど、それを晴希は本当に仲良くなったと勘違いしているみたいだ。

あの場面を見られていたこともに驚いたけれど、晴希がそんな勘違いをしてこちらに嫉妬してくることにも驚いた。

「お前のせいだぁ!」
晴希が叫んでカッターナイフを私めがけて振り下ろす。

だけどそれは私の横をかすめて行った。
晴希は何度も何度もカッターナイフをかざしてくるが、それが私にあたることはない。

私は同じ場所から一歩も動いていなかったけれど、擦り傷すらできていない。
それを見た晴希の顔が真っ赤に染まる。

見えない力のせいで私に攻撃できないことを怒っているのか、わけのわからない咆哮をあげると方向転換し、今度は雄馬へ向けて歩き出したのだ。

「なんだよお前。どうかしたか?」
雄馬が顔をしかめて晴希を見つめる。