悪事通報アプリ

☆☆☆

「うまく行ったね」
休憩時間のトイレで花乃がそう言ってきた。
「だね。あんなにうまくいくとは思わなかった」

今はもう3時間目が終わったところだけれど、仲間から無視されている晴希は教室に戻ってきていなかった。

「晴希って意外と弱かったよね。無視されただけであんなにキレてさ」

「私もそれ思った。相手にされないからって机倒して大きな音立てて、ああいうのって自分は弱いですってアピールしてるみたいなもんだよね」

花乃の言葉に思わず吹き出してしまう。
本人は最後まで強さをアピールしていたつもりだろうけれど、逆効果になっている。

私は鏡の前でリップを塗っていると、トイレのドアが開いて美羽と蒼のふたりが入ってきた。
視線がぶつかり、私は無意識の内に微笑んでいた。

ふたりの方が戸惑った表情を浮かべて逃げるようにそれぞれ個室へ入っていく。
その姿を見て私と花乃はふふっと小さく笑ったのだった。