血管交換シヨ?

暗い部屋でツキくんを見ていると
本当にお月見している気分になってくる。

「いつもこの照明なの?」

「うん。明るいほうがいい?」

「スズは平気だけど。本とかいっぱい読むんでしょ?目、悪くならない?」

「それがさぁ、不思議と視力いいんだよね。もうずっとこうだから目も慣れてんじゃない?」

「そうなんだ。なんか暗い部屋にツキくんが居るとさ、本当にお月様みたいだね」

「もしかしてイジッてんの?」

「えっ違うよ!ヤな気持ちにさせちゃったならごめん」

「ごめんー、冗談だよ。焦らせてごめんね?スズがそんな意地悪な気持ちで言う子じゃないって分かってるよ」

「んー…」

「ほら、座って。お腹空いたでしょ」

「うん」

テーブルを挟んで向かい合わせに座って
コンビニで買った唐揚げを頬張った。

プレーンと、塩レモン味。
それからジャスミンティーを飲んで、
二人で同時に「おいしいね」って言った。

「ツキくん、ジャスミン飲めるんだね。ちょっとクセがあるからスズの周りには飲める人少なくて。でもツキくんが飲めるの嬉しいな」

「うん。好きだよ。スズが好きならこれからは定番にしよっかな」

「ツキくん」

「んー?」

「そういうことばっか言っちゃダメなんだよ」

「何が?」