血管交換シヨ?

統計を取ったわけじゃないから一人部屋の一般的な広さは分からないけれど
スズの部屋は六畳で、ツキくんのお部屋も同じくらいに見える。

黒を基調としていて
カーテンもワンシーターのソファも
寝装カバーも黒でまとめられていた。

天井の中央に設置されている木枠のシーリングライトは昼白色の灯りで明るかったのに
スズを案内する為だけに点けていたのか、
ツキくんはすぐに消灯してしまった。

代わりにベッドのサイドテーブル上のライトを点けた。
暖色系の灯りがぽう、っと部屋をオレンジ色に染める。

随分と暗い気がしたけれど
ツキくんはそれが通常なのか全然気にしていないみたいだった。

木製デスクには教科書や参考書、
パソコンとデスクライト。

本棚は、さすがツキくんって感じで
文豪から賞作家、スズが手に取ったこともないジャンルの書籍までズラッと並んでいて
まさに″雑食″って言葉がピタリと当てはまる。

ツキくんが言った通り。
スズにくれた文豪の、同じタイトルの小説が二冊並んでいる。
本体と離ればなれになったカバーもしっかり鎮座していて
なんだか愛おしい。