血管交換シヨ?

「中原と話してたの、それ?」

続けて送られてきたメッセージに
「えっと…うん。ツキくんの趣味を教えてもらう約束してて。そしたら友達になりたいしみんなでも遊びに行こうよって話になって」
って返信した。

なんとなく、本当の理由は隠してしまった。
本当のことを言ったら中原くんの、美桜ちゃんへの気持ちがバレてしまうし。
ツキくんはやっぱりいい気はしないだろうから。

とりあえず作戦は成功したよってことを中原くんに報告して、
ちゃんとお布団に潜り込んだ。

本当はツキくんと二人で遊べたら一番よかったんだけど
確かにまだ緊張のほうが大きいだろうし。

今回はリハビリってことで!
ここでもっと仲良くなれたら今度こそサラッとスマートに誘えるかもしれない。

新しいお洋服買わなきゃ、
髪の毛可愛くできるかな、
いっぱい汗かいちゃったらどうしよう…

そんなことを考えていたらいつの間にか眠っていて
朝を迎える。

その日からスズはそんな夜ばかりを過ごした。

何を着てもどんなヘアスタイルをしても
ツキくんにとってとびきり可愛い女の子になれる自信は持てないまま夏休みになった。

冴えない成績表も大量の宿題も
どうでもよかった。

夏休み中に何回ツキくんに会えるか分からない。
みんな大好き夏休み!も、
登校しているほうがツキくんに会えて、スズにとっては地獄の日々になるかもしれない。

だからこそこの一日に全力を尽くすんだ!

共犯者、中原くんのことを思えば
ちょっぴり強くなれる。

世界で一番心強くて、
一番ずるい共犯者。

今日だけでも世界で一番の幸せを感じてしまうことを
許されたかったんだ。