血管交換シヨ?

中原くんはちょっと照れくさそうに頭を掻きながら
「暑いのにごめんな」って言った。

西日が眩しくなってきていて
スズよりも身長が高い中原くんを見上げたら
開けてられないくらいに目が痛む。

「鞄、置いたままだ」

「俺も」

「二人とも、もう帰ったかな?」

「帰ったでしょ。さすがに」

「だよね。あー。ねぇ、」

「ん?」

「場所、代わってほしいよね」

「場所?」

「隣」

「あー、うん。だな」

目を合わせて微笑みあったけれど
中原くんは彼には似合わない悲しそうな目。

スズもきっと、それによく似た目をしていたと思う。

彼女でもなんでもないスズには
ツキくんが何をしていたって嫉妬する権利もないのに
勝手にあれこれとツキくんが言ったわけでもないことを想像しては引っ切りなしに嫉妬しては傷つく毎日だ。

美桜ちゃんがどれだけツキくんのことを好きかなんて知らない。
二人の絆がどれだけの強さかなんて知らない。

でも、もしも…
もしもどうしても死んじゃうくらいツキくんじゃなくても大丈夫なんだったら
スズと代わってくれたらいいのに…。

スズはツキくんじゃなきゃだめなのに。

なんて、
どこまでもサイテーな自分が嫌い。

スズがスズを誰よりも嫌いなんだから
好きになんてなってもらえるわけない。

分かってるのに。

分かってるよ…。