「それで?どっか行くの?」
お昼休み。
しろちゃんの教室で一緒にお弁当を食べていた。
教室内の生徒はまばらで、
逆に窓の下の運動場は生徒達の声で賑やかだった。
「休憩時間くらい休憩すればいいのに」
しろちゃんはボヤきながら
窓を閉めて、上がってしまった教室の温度に顔をしかめながら
シャツの首元を摘んで風を送り込んでいる。
お昼休みが半分過ぎたら教室の窓を開けて
空気の入れ替えをすることになっている。
その時間になると
わざわざスピーカーから全校放送でアナウンスが流れてくる。
だからと言って見回りの先生や生徒会役員がいるわけでもないのに
ブーブー言いながらも
生徒達はなぜか律儀にその時間をきちんと守っている。
「どっか行くの?」って訊かれて、
スズは首を横に振った。
「まだ。決めてない」
「急いだほうがいいよ」
答えたスズに、しろちゃんは脅し文句みたいなことを言う。
「なんで?」
「今朝、中原も言ってた。美桜ちゃんのこと誘おうって。″でも二人じゃ来てくれないだろうから月見ちゃんのことも誘おーう″って、ちょっと悔しそうに言ってた」
しろちゃんは中原くんの口調を真似するみたいに言った。
ちょっと似ていてクスクス笑うスズに、
しろちゃんは「笑ってる場合じゃないから!」って言った。
お昼休み。
しろちゃんの教室で一緒にお弁当を食べていた。
教室内の生徒はまばらで、
逆に窓の下の運動場は生徒達の声で賑やかだった。
「休憩時間くらい休憩すればいいのに」
しろちゃんはボヤきながら
窓を閉めて、上がってしまった教室の温度に顔をしかめながら
シャツの首元を摘んで風を送り込んでいる。
お昼休みが半分過ぎたら教室の窓を開けて
空気の入れ替えをすることになっている。
その時間になると
わざわざスピーカーから全校放送でアナウンスが流れてくる。
だからと言って見回りの先生や生徒会役員がいるわけでもないのに
ブーブー言いながらも
生徒達はなぜか律儀にその時間をきちんと守っている。
「どっか行くの?」って訊かれて、
スズは首を横に振った。
「まだ。決めてない」
「急いだほうがいいよ」
答えたスズに、しろちゃんは脅し文句みたいなことを言う。
「なんで?」
「今朝、中原も言ってた。美桜ちゃんのこと誘おうって。″でも二人じゃ来てくれないだろうから月見ちゃんのことも誘おーう″って、ちょっと悔しそうに言ってた」
しろちゃんは中原くんの口調を真似するみたいに言った。
ちょっと似ていてクスクス笑うスズに、
しろちゃんは「笑ってる場合じゃないから!」って言った。



