五人で一緒にお弁当を食べていたんだけど
それぞれが他のクラスの子達とおやつ交換しに行くって言って、
レジャーシートは広げたまま、バラバラになった。
スズもしろちゃんの所に行こうって思って
脱いでいたスニーカーを履き直した。
でも、立ち上がってすぐに視界に入ったのは
公園と駐車場の境目に設置されている木製のベンチに座っているツキくんだった。
しゃがんでいたら視界いっぱいに映る生徒達の頭で分からなかったけれど
立ち上がって全体が視えるようになると
集団から離れているツキくんが目立って見えた。
そばには美桜ちゃんも居なさそうだった。
キョロキョロと見渡してみたけれど
しろちゃんとお友達の姿はここからじゃ見えない。
どこに居るのか分からないしろちゃん。
先生が告げていた集合時間まであと一時間とちょっと。
スズの足は自然とツキくんに向かって進んでいた。
スズには、ツキくんと引き換えにできるものなんてなかった。
ずっとそばに居てくれた親友と天秤にかけても。
それがどんなに最低な決断だって頭では分かっていても。
スズの頭と心、
むしろ″スズだけ″が理性と分離してしまったみたいに言うことを聞いてくれない。
全部、全部
ツキくんのせいだよ。
それぞれが他のクラスの子達とおやつ交換しに行くって言って、
レジャーシートは広げたまま、バラバラになった。
スズもしろちゃんの所に行こうって思って
脱いでいたスニーカーを履き直した。
でも、立ち上がってすぐに視界に入ったのは
公園と駐車場の境目に設置されている木製のベンチに座っているツキくんだった。
しゃがんでいたら視界いっぱいに映る生徒達の頭で分からなかったけれど
立ち上がって全体が視えるようになると
集団から離れているツキくんが目立って見えた。
そばには美桜ちゃんも居なさそうだった。
キョロキョロと見渡してみたけれど
しろちゃんとお友達の姿はここからじゃ見えない。
どこに居るのか分からないしろちゃん。
先生が告げていた集合時間まであと一時間とちょっと。
スズの足は自然とツキくんに向かって進んでいた。
スズには、ツキくんと引き換えにできるものなんてなかった。
ずっとそばに居てくれた親友と天秤にかけても。
それがどんなに最低な決断だって頭では分かっていても。
スズの頭と心、
むしろ″スズだけ″が理性と分離してしまったみたいに言うことを聞いてくれない。
全部、全部
ツキくんのせいだよ。



