血管交換シヨ?

「簡単じゃないって解ってるからスズは言ってる!ずっとずっと、簡単なんかじゃない、平気なわけないって解ってるからツキくんの望む結果が訪れなくても笑ったりしてないじゃん!簡単なんかじゃないから今の挫折だけで捨ててほしくないんだよ」

「何回も言ってるけどさ。俺は普通の、ただの人間なんだ。書く為の、小説の″種″を蒔くことすら必死なんだ。なんにも思い浮かばなくて、キーボード一個も叩けなくなる。そんなことも嘘みたいに書きたいこと、書かなきゃいけないことがスッと頭の中に入ってくることもある。でも書いてる期間はずっと地獄だ。何をしててもこんなことしてる場合じゃないって…それこそ人を蔑ろにして繋がりは消えていくのに毎日毎日文字ばっか繋げて繋げて繋げて…。もう何回応募したか分かんないよ、新人賞。新人賞、新人賞、新人賞…。花が咲かないんだから当たり前だよな。向き合っていくのは何年経ってもずっと新人賞。スズが言うように俺に才能があったら。本当に天才だったらとっくにスズの期待にも応えられたのに」

「ツキくんがどれだけ自分を卑下してもスズはツキくんに才能があるって思ってる…。ツキくんは凄いんだって…それはどうしても拭えない。あんな風に人の心を動かせる小説を書けるんだよ?信じたいよ。ツキくんが今、小説を書き続ける日常から死んでしまいたいならスズがスイッチをオフにしてあげる。それでもどうしても夢が眩しくて、小説を忘れてしまう自分のことを嫌いになってしまうならまたオンにしてあげるから。今は死んでてもいいよ。ツキくんを必要じゃなくなったりしないから」