血管交換シヨ?

「心底ムカつくけど鈴芽ちゃんは凄いよ。認めるしかないね。私にはできない。だから負けたの」

「最低なことは変えられないのに…ごめんなさい」

「あんたが正しいなんて一生思わない。許すこともしない。それくらいの覚悟したから、新城を今も好きでいるんでしょ?だったら散々滑稽にしがみついて、惨めでも貫き通してみなさいよ」

「最低でも滑稽でも人からどれだけ笑われたって、スズは愛した人を信じ続けるよ」

「ほんと…何が″けじめをつけたい″よ…マウント取りに来ただけじゃない」

しろちゃんがスズを諭した通りのことを
美桜ちゃんは呟いて短い溜息をついた。

美桜ちゃんから目を逸らして、
さすがに空気になることに徹していた中原くんを見たら目が合って
ちょっと気まずそうに微笑まれてしまった。

「俺はスズにも誠意を見せるよ。小説なんて苦しいことばっかだけど、傑作を書くって嘘みたいな俺の夢を本気で信じてくれた。スズの想いに応えてあげるのはマジで傑作を書いて形にすることだけだから。邪推は捨てて小説と必死に向き合っていく」

「恋愛はしないとかそんな暇はないとか言うけどさ、あと何年生きてくつもりでいるの?これから先の未来でどんな人と巡り逢うかも分かんないのに。恋愛はしないけどまた都合いいように女の人に依存して生きていくなんてやめてよね。仮にも一時は本気で好きになった人なんだから。そこまで軽蔑させないで」

「分かってる。美桜、ごめん。俺はこんな過ちですらいつか小説にするよ。最低だった俺のこと、脚色はしない。ありのままの俺のことも、本気で俺との恋愛を信じようとしてくれた女性が居たこともいつかきっと小説で書く。クズで救いようのない今の俺でさえ傑作の糧にしてしまうし、美桜の存在も残してしまう。無かったことにして、きれいな人間なんて気取れないから。ただこの先、どんな人と出逢ったとしても心から本気で俺の小説を信じてくれたスズの存在を忘れたりはしない。また小説のことばっかだけどさ…」