「もういいよって言ってあげたらツキくんはラクになれるの?信じたかったものを忘れることができるの?それでツキくんが自分を愛していけるのならスズはツキくんの夢を殺してあげるよ。でもツキくんの中でそうできないのならたとえ一瞬一瞬、ツキくんを苦しめてしまっても最後までツキくんを信じたい。美桜ちゃん、才能がないなんて他人が勝手に決めないでよ。スズはツキくんのことが好きだから、ツキくんの小説を愛したんじゃないよ。ツキくんの小説に心を壊されたから。心臓に触れられたことを感じたから。ツキくんは凄いんだって信じたんだよ。一生スズだけのものになってくれなくてもいい。二番目のままでもいい。ツキくんは凄いんだってツキくんには信じててほしいんだよ」
「鈴芽ちゃん、なんか勘違いしてない?」
「勘違い?」
「二番でもいい、二番でもいいって。二番目でもないかもしんないのに。厚かましい」
「それは…」
「はぁーあっ…あー、もう嘘、嘘。負け犬の遠吠え。最後の意地悪だよ」
「意地悪?」
美桜ちゃんがグラスの水を飲む。
スズも喉がカラカラで、グラスに口をつけた。
氷も全部溶けてしまっていて、
冬なのに水はぬるかった。
「鈴芽ちゃん、なんか勘違いしてない?」
「勘違い?」
「二番でもいい、二番でもいいって。二番目でもないかもしんないのに。厚かましい」
「それは…」
「はぁーあっ…あー、もう嘘、嘘。負け犬の遠吠え。最後の意地悪だよ」
「意地悪?」
美桜ちゃんがグラスの水を飲む。
スズも喉がカラカラで、グラスに口をつけた。
氷も全部溶けてしまっていて、
冬なのに水はぬるかった。



