血管交換シヨ?

美桜ちゃんが大きな声を出した。

キッチンカウンターの中からおじいちゃんオーナーがチラリとスズ達のほうに視線を向けた。
中原くんが顔の前で手を合わせてペコリと頭を下げる。
オーナーは小さく頷いて、視線を逸らしてくれた。

「美桜ちゃ…」

「天秤にかけてほしかったよ。私は、小説と私のこと、ちゃんと天秤にかけて、ちゃんと考えてほしかった!後になってやっぱり私になんか時間割けなくて、なんにも言ってこないからまだ大丈夫だろうって安心してた!?女性としての魅力を感じてた?恋人になれたら素敵?それだって小説の前では霞んでんじゃんか!女としての尊厳、プライド…どこまで抉れば気が済むのよっ!それで結局面倒になって切り捨てて、それでも誰かに信じててほしいからってこの女をそばに置いて…自分のことばっか…小説ばっか…ねぇ、私が頑張れてたら、この子みたいに新城の夢を愛せてたらまだ好きでいてくれたの?まだ新城の彼女でいられたの?小説のことを愛してくれない人間は新城にとってはなんの価値もないの!?」