三人が吐き出す白い息が
絡まり合うことはないまま消えていく。
こんなにもはっきりと白が見えるのは
暗い夜のせいなのかな。
「しろちゃん、ありがとうね」
「じゃ、また学校でね」
コートのポケットに手を入れたまま
しろちゃんは立ち上がって歩き出した。
また学校で。
その言葉に救われてしまうスズは、
どこまでいってもクズなのかもしれない。
見捨てないでいてくれるしろちゃんの背中に
立てられるきれいな誓いは、スズは持っていない。
裏切りたくない。
恥ずかしくない親友に、スズはまだまだなれそうにないけれど、
今はせめて目の前にある歪な愛を…。
「細いね。三日月」
「折れそうだな」
「あの三日月にスズとツキくんの想いを乗せてシーソーしてみようか」
「ポッキリいっちゃうだろうな」
「なんで?」
「スズの愛はヘビー級だから」
「追いつけない?」
「それでも足りなくなる日がくるかもしれないことが怖いんだよ」
「大丈夫だよ。減ることはないし、きっともっと重たくなる」
「はは…。凄いなぁスズは」
「ツキくん」
「ん?」
「いつか最低じゃないって言ってもらえる日が来るのかな」
「知らない誰かには、もしかしたらね」
「…そっか。それでも好きだよ」
「ん」
「好きだよ。ツキくんとの毎日でスズが壊れてしまっても」
絡まり合うことはないまま消えていく。
こんなにもはっきりと白が見えるのは
暗い夜のせいなのかな。
「しろちゃん、ありがとうね」
「じゃ、また学校でね」
コートのポケットに手を入れたまま
しろちゃんは立ち上がって歩き出した。
また学校で。
その言葉に救われてしまうスズは、
どこまでいってもクズなのかもしれない。
見捨てないでいてくれるしろちゃんの背中に
立てられるきれいな誓いは、スズは持っていない。
裏切りたくない。
恥ずかしくない親友に、スズはまだまだなれそうにないけれど、
今はせめて目の前にある歪な愛を…。
「細いね。三日月」
「折れそうだな」
「あの三日月にスズとツキくんの想いを乗せてシーソーしてみようか」
「ポッキリいっちゃうだろうな」
「なんで?」
「スズの愛はヘビー級だから」
「追いつけない?」
「それでも足りなくなる日がくるかもしれないことが怖いんだよ」
「大丈夫だよ。減ることはないし、きっともっと重たくなる」
「はは…。凄いなぁスズは」
「ツキくん」
「ん?」
「いつか最低じゃないって言ってもらえる日が来るのかな」
「知らない誰かには、もしかしたらね」
「…そっか。それでも好きだよ」
「ん」
「好きだよ。ツキくんとの毎日でスズが壊れてしまっても」



