「お久しぶりです!」
村田さんのもとへ走るわたしとは反対に、颯くんは徐々に後ろへ。
「むむ、村田!何で急に!?ま、まさか俺たちなんかした!?」
変に挙動不審というか……焦りすぎというか。
分かりやすい。
「おや、颯坊っちゃま。お心当たりでもおありで?」
「なっ……いと思いたい」
そしてぶつぶつと、何かしたのか一人考え出してしまった颯くんに、村田さんは微笑んだ。
「村田さん、お久しぶりです。僕、お茶いれてくるのでとりあえず座って下さい」
「ありがとうございます。響坊っちゃま」
「……む、村田さん、お久しぶり、です」
「ふふっ、雪坊っちゃま……なんだか雰囲気が明るくなられましたな」



