もう一度

あ、もうこんな時間。


周りを見ると人はいない。

重い足を引きずりながら急いで家に帰った。

家のドアを開けても誰もいない。

うちは、小さい頃にお母さんが病気で亡くなって父子家庭だからだ。

お父さんも仕事が遅くてほとんど会うことはない。

でも、家事を淡々とこなす。

悲しみを紛らわすにはちょうどいい。

今日は作り置きだけでいいや。

電子レンジで小松菜和えと冷凍ご飯、そして市販の冷凍ハンバーグを解凍して食べる。


「いただきます。」


静かな部屋に私一人の声が響く。

黙々と食べながらさっきのことを思い出す。


詩音くんのことを考えるとまた涙が出てきそうだ。

その後はかき込むようにご飯を食べて、ベットで小一時間わんわん泣いた。



そして、泣きつかれ、枕に顔を沈めたままねた。