もう一度

朝から心待ちにしていた放課後がやってきた。

図書室に入り、天川を見つけた。

ぱっと心が晴れたが、拓斗のことを思い出して心がずんと重くなった。

「……。」

挨拶しようと思ったが、口を開けたとたん言葉に詰まった。

会えることをあんなに心待ちにしていたのに、いざ面と向かうと……情けない。

俺が固まっていると、天川が口を開いた。

「こ、こんにちは。」

「おう。」

会話を広げたい。そう思っていたはずなのに、素っ気ない返事しかできない。