もう一度

「すみません!!」

申し訳なさそうな声が聞こえて、振り返る。

天川だ。そう気づいた途端、頬が緩んだ。

けどとっさにいつものように平然を装った。

「あの、ハンカチあげる。」

そんな俺を気にもとめず天川はハンカチをくれた。

「あの、返さなくていいから」

「おう」

正直、濡れたのはちょっとだけだし、天川と話せてむしろラッキーだ。

「おはよ、流河」

後ろから拓斗がやってきた。

拓斗はあらゆる人にもててて、俺とはくされ縁。