もう一度

気づいたら声をかけていて、こっちを向いて逃げられたときはずきりと胸が音を立てた。

それからだ。俺の視線に天川が入るようになったのは。

そっから図書委員で一緒になって、図書当番の日が楽しみになった。

んで、昨日徹夜して天川がおすすめしてくれた本を読んだ。
その主人公には好きな人がいた。

俺は好きな人がいたことがない。

人に興味がないことが理由かもしれない。

最初のほうは感情移入できずにいたが、読んでるうちに気づいた。


俺は、天川が好きだ。


あいつが笑うと胸がキュッとする。

あいつが悲しむと慰めてやりたくなる。

それに気づいてから、俺は自分の知らない気持ちに戸惑っていた。

時間になったので家を出る。

外はどしゃ降り。

もうすぐで学校に着くという頃、背中に水滴がかかった。