「うっ……痛って……」
「雅紀! 大丈夫かよ」
雅紀は一瞬痛みから蹲ったが、すぐに上体を起こした。
「すみません! 雅紀先輩」
雅紀にボールをぶつけてしまった一年が頭を下げるのを見ながら、雅紀は顔の前で手を振った。
「あー大丈夫。ただちょっと腫れる前に冷やしてくるわ」
「俺も行こうか?」
雅紀のケガがたんこぶ程度だとわかった裕介が、いたずらっ子のような目を雅紀に向けた。
「ばぁか。例の女に会ったら、ブスって言ってやるから大丈夫だよっ」
「あはは、おっけ」
雅紀は裕介に手を振ると、保健室に向かった。
この学校はクラブ活動が盛んなだけあって、保健室には阿賀という女性の先生が十八時まで常駐している。
(十七時半だからまだいるよな)
雅紀は保健室の前にたどり着くとノックをする。
するとすぐに「どうぞ」と声が聞こえてきた。その時、雅紀は一瞬はっとした表情をする。
(あんな声だっけ?)
雅紀は首を捻ってから扉を開けた。
「失礼します」
雅紀が保健室にはいると、阿賀が椅子に腰かけたまま振り返った。
年齢は二十代後半で長い黒髪に切れ長の目をした和風美人だ。
「あらケガ? 大丈夫?」
「あー……ちょっとボールが当たったんで冷やすもの貸してくれませんか?」
「それは大変ね、先に診せてくれる?」
「雅紀! 大丈夫かよ」
雅紀は一瞬痛みから蹲ったが、すぐに上体を起こした。
「すみません! 雅紀先輩」
雅紀にボールをぶつけてしまった一年が頭を下げるのを見ながら、雅紀は顔の前で手を振った。
「あー大丈夫。ただちょっと腫れる前に冷やしてくるわ」
「俺も行こうか?」
雅紀のケガがたんこぶ程度だとわかった裕介が、いたずらっ子のような目を雅紀に向けた。
「ばぁか。例の女に会ったら、ブスって言ってやるから大丈夫だよっ」
「あはは、おっけ」
雅紀は裕介に手を振ると、保健室に向かった。
この学校はクラブ活動が盛んなだけあって、保健室には阿賀という女性の先生が十八時まで常駐している。
(十七時半だからまだいるよな)
雅紀は保健室の前にたどり着くとノックをする。
するとすぐに「どうぞ」と声が聞こえてきた。その時、雅紀は一瞬はっとした表情をする。
(あんな声だっけ?)
雅紀は首を捻ってから扉を開けた。
「失礼します」
雅紀が保健室にはいると、阿賀が椅子に腰かけたまま振り返った。
年齢は二十代後半で長い黒髪に切れ長の目をした和風美人だ。
「あらケガ? 大丈夫?」
「あー……ちょっとボールが当たったんで冷やすもの貸してくれませんか?」
「それは大変ね、先に診せてくれる?」



