推しにおされて、すすむ恋



「そう言えば、ここに来る途中、すごく雲が黒かったのよ」
「げ、マジだ。さっきまで晴れてたのに、曇ってきてるな」


外を見ると、そこかしこに暗雲が漂っている。

まさか雨が降る?
星空、ちゃんと見られるかなぁ?

スマホで天気を確認すると、降水確率は半分半分。つまり、降ってもおかしくない状況。


「しまったなー。天気のこと、確認してなかったわ」
「わ、私が悪いよ!初めに天気を確認して発言すれば良かったのに、ごめんね」

「コレ、俺ら全員の落ち度だから。勝手に自分を責めないでくれる?」
「でも……うぅ。うん、ごめんね」


リムチ―の言葉に、胸のわだかまりが小さくなる。
申し訳ないって気持ちは、消えないけど。


「星空が撮れなかった時のために、代案を考えとくか。何かあるか?」
「って、急に言われてもね……」
「少し考える時間をくれる?」
「つっても、そんなに時間ねぇぞ」


空気がギスギスしてきた。いつも冷静なヤタカも、撮影目前に企画が流れそうで、珍しく焦っている。

どうしよう。
全部、私のせいだ――!