推しにおされて、すすむ恋



「ってわけだから。合宿楽しもうね、ゆの」
「う、うん……っ」


胸がバクバク&ワクワクと鳴っている。
不思議なことに、今は合宿を楽しみにしちゃってる。


『ゆのが気になるからかな。放っておけないっていうか』


あの言葉一つで、私、こんなに浮かれてる。
〝玲くん〟に言われたからって、なんて単純な。


「……ん?」


〝推し〟に言われたから、私は喜んでいるんだよね?

ノアに「放っておけない」って言われた事が、嬉しかったんだよね?

愛が深めのファンサービスをもらって、テンションが上がってるんだよね?


「それなのに、さっき……どうして〝玲くんに言われたから嬉しい〟って思っちゃったんだろう」


数歩先を歩く、長身の玲くんを見る。

玲くんは少し先を見やった後、「あっちにみんな集合してるよ」と。誘導するためか、火照った私の手を掴んだ。


「ッ!」
「ゆの?どうかした?」
「な、なんでも、ないです……っ」


その行動に、なぜか私のドキドキは止まらなくて……。

Neo‐Flashと初対面だというのに、緊張はどこへやら。

ヤタカの「遅い!」という怒声を聞くまで、ずっと玲くんの背中を見つめていた。



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