シリアル・ホラー

「どうって、気持ち悪いとしか……」
「そうじゃなくて、あの手! 見たことあると思わない?」
「手?」

 そんなこと言われても、よく覚えていない。

「もう~」

 まりちゃんはもう一度スマホを出すと、動画を出して流し始めた。横たわる野村くん。横から伸びて来る手。まりちゃんはそこで動画を止めた。

「この手」

 色が白くて少しふっくらとした腕だ。半袖なのか肘まで肌が見えている。あれ? この手って……

「丸夫くんの手じゃない?」

 私は息が止まった。まさに今、そう思ったからだ。

「そう…… とは限らないんじゃない?」
「そうだけど、他にありえる?」

 ありえない。毎日見てる同じクラスの男子の腕だ。見間違えようもない。

「もし……もしこれが丸夫くんだったら、まりちゃんどうするの?」
「聞いてみる」
「え?」
「野村くんたちのこと、明日聞いてみるよ」

 私はなんとなく不安に思ったけど、そういうまりちゃんにうなずいた。



 翌朝、朝の会の前、まりちゃんは丸夫くんの席の前に立った。

「丸夫くん」

 私は固い表情をして丸夫くんの前に立つまりちゃんを、ハラハラしながら見ていた。

「これ、丸夫くんだよね」

 まりちゃんはスマホを出して、丸夫くんの顔の前に突きつけた。学校にスマホは持ってきちゃダメだけど、そんなこと先生にチクる人なんていない。