シリアル・ホラー

　田原たちいじめっ子グループ、死刑決定。
　ボクは雑巾で床を拭きながら、田原と舞木、吉村の顔を思い浮かべた。
　どうやって殺してやろう。毒殺？　列車事故で全身バラバラになってもいいな。いや、全員同じじゃつまらない。一人一人別々の殺し方をしてやろう。
　リーダーの田原は最後だ。取り巻きが死ぬところを見せて、極限まで怖がらせてやる。
　まずは舞木。狐目のイヤミなヤツだから、頭の皮を剥いでやる。方法は……
　ボクは昼休み、残虐な妄想に浸って愉悦の極地で過ごした。

「ふふっ、あいつら惨めに鼻水まで垂れ流してたなぁ」

　帰り道、いじめっ子三人が無惨な死を遂げる妄想の快感に浸りながら歩いていた。
　さすがに三人分たっぷりと妄想したので、脳はかなり疲れている。返ったら甘いものでも食べて、ゲームの世界に没入しよう。

「ただいま」

　帰宅してダイニングを覗く。母さんはまだ帰ってきていないようだ。ボクは自分の部屋で着替えてゲーム機を持ってリビングへ行き、牛乳を飲んで何気なくテレビをつけた。すると緊迫した声のアナウンサーと、「中継」の文字が目に飛び込んできた。

『こちら○▲県□◎町の山林です。本日夕方４時ごろ、公園をウォーキング中の夫婦が、中学生と見られる男子生徒の遺体を発見しました。遺体は激しく損傷しており、警察でも身元の確認を急いでいます』
「え？　ここじゃん。怖え～」

　激しくブレるテレビカメラが、動揺を表している。ボクはすぐのそのニュースは忘れて、ゲームの世界に没入した。