「そうだ、レーナに見せたいものがある」
そう言ってオスカーは立ち上がり、部屋に据え付けられているクローゼットの扉を開けた。
「これを君に」
なにがあるのか気になってあとをついていったレーナに、オスカーは豪奢な宝石や装飾が施されたドレスを掲げて見せた。
レーナにとって、上流貴族……いや、王族が公式の場で身に付けるようなドレスを間近で目にするのはもちろん初めてだ。
「この世界で君に必ずまた会えると信じていた。だからこのドレスを作らせておいたんだ」
「私の……ために?」
「そう。庭に咲いている紫苑の花に色が似ているだろう?」
オスカーが感慨深げに中庭の花壇へ視線を移す。
光沢のあるドレスの生地は、紫苑の花と本当によく似た薄紫色だった。
「これを着て、ふたりで王様にお目通りしよう。正式に結婚すると報告しに」
自分のような身分の低い者が王太子妃に?
そんなことはありえないと思う反面、オスカーから真剣な眼差しを向けられたら、レーナは迷うことさえ許されない気がした。
彼が誠実なのはよく知っているから。
前世で煌太郎だったときも、全身全霊で桜和を愛し、守ろうとしていた。
そう言ってオスカーは立ち上がり、部屋に据え付けられているクローゼットの扉を開けた。
「これを君に」
なにがあるのか気になってあとをついていったレーナに、オスカーは豪奢な宝石や装飾が施されたドレスを掲げて見せた。
レーナにとって、上流貴族……いや、王族が公式の場で身に付けるようなドレスを間近で目にするのはもちろん初めてだ。
「この世界で君に必ずまた会えると信じていた。だからこのドレスを作らせておいたんだ」
「私の……ために?」
「そう。庭に咲いている紫苑の花に色が似ているだろう?」
オスカーが感慨深げに中庭の花壇へ視線を移す。
光沢のあるドレスの生地は、紫苑の花と本当によく似た薄紫色だった。
「これを着て、ふたりで王様にお目通りしよう。正式に結婚すると報告しに」
自分のような身分の低い者が王太子妃に?
そんなことはありえないと思う反面、オスカーから真剣な眼差しを向けられたら、レーナは迷うことさえ許されない気がした。
彼が誠実なのはよく知っているから。
前世で煌太郎だったときも、全身全霊で桜和を愛し、守ろうとしていた。



