ふたりの出会いは半年前。
とある侯爵家の社交界を訪れた際、互いに一目惚れに近い形ですぐに恋に落ちた。
母親の言うとおり、眉目秀麗な煌太郎は引く手あまたで、方々から見合いの話が来ていたのだけれど、桜和と出会った煌太郎は彼女しか目に入らなくなる。
娶るなら桜和を、と当主である父親に強く要望したことから、とんとん拍子で見合いを経て婚約へと進み、現在に至っている。
「桜和、ちょっとおいで」
煌太郎がそっと耳打ちをして、社交界の場から桜和を連れ出した。
人目がなくなったところで桜和のやわらかい手を握って歩く。
着いた先は野宮邸の中庭で、花壇には薄紫色の紫苑が咲き乱れていた。
「うわぁ! 綺麗ですね!」
「桜和はこの花、好き?」
「はい。先日いただいたお花も、いつまでも持っていられるようにいくつか押し花にしたくらいです」
キラキラと瞳を輝かせながらうれしそうに話す桜和に、煌太郎は心から愛しい感情が湧いてきた。
中庭に咲いていた花を摘んで渡しただけで、そんなによろこんでもらえるとは思ってもみなかったのだ。
「今の時期しか咲かないけど、こんなのいくらでも届けられるのに……」
「煌太郎様からもらったものだから大切なんですよ。ひとつひとつ全部大事にしたいんです。この先もずっと」
今の言葉で胸を打ち抜かれた煌太郎は、桜和を抱きしめずにはいられなかった。
とある侯爵家の社交界を訪れた際、互いに一目惚れに近い形ですぐに恋に落ちた。
母親の言うとおり、眉目秀麗な煌太郎は引く手あまたで、方々から見合いの話が来ていたのだけれど、桜和と出会った煌太郎は彼女しか目に入らなくなる。
娶るなら桜和を、と当主である父親に強く要望したことから、とんとん拍子で見合いを経て婚約へと進み、現在に至っている。
「桜和、ちょっとおいで」
煌太郎がそっと耳打ちをして、社交界の場から桜和を連れ出した。
人目がなくなったところで桜和のやわらかい手を握って歩く。
着いた先は野宮邸の中庭で、花壇には薄紫色の紫苑が咲き乱れていた。
「うわぁ! 綺麗ですね!」
「桜和はこの花、好き?」
「はい。先日いただいたお花も、いつまでも持っていられるようにいくつか押し花にしたくらいです」
キラキラと瞳を輝かせながらうれしそうに話す桜和に、煌太郎は心から愛しい感情が湧いてきた。
中庭に咲いていた花を摘んで渡しただけで、そんなによろこんでもらえるとは思ってもみなかったのだ。
「今の時期しか咲かないけど、こんなのいくらでも届けられるのに……」
「煌太郎様からもらったものだから大切なんですよ。ひとつひとつ全部大事にしたいんです。この先もずっと」
今の言葉で胸を打ち抜かれた煌太郎は、桜和を抱きしめずにはいられなかった。



