「ち、違います! 私は給仕には関わっていませんし、なにもしていません」
「お前が調理場へ出入りするようになってから事件が起こったんだ。怪しまれても仕方ないだろう」
男性がそのまま背を向けて建物の外へ出て行き、レーナも男たちに腕をつかまれたまま連れ出された。
「待ってください。五日前、毒でお倒れになる夢を見たとルシアン様ご本人にお伝えしました。私が犯人ならそんなことはしません」
前を歩く男性の背中に向かってレーナは必死で訴えかけた。
あのとき、誰にも話すなと言われていたが、宴が終わった今なら問題ないと思ったのだ。
「なに?」
早足で歩いていた男性がピタリと止まり、怖い顔をして振り返った。
「誰に伝えたと?」
「ルシアン様です。えっと……とても位の高い方で……いらっしゃいますよね?」
男性は眉根を寄せてレーナを見据え、距離を詰めて真正面に立った。
「ルシアンは、私だが?」
レーナは自分の耳を疑った。
しかし目の前の男性がこんな状況で冗談を言うとは思えない。
「私がお会いしたのは……背が高くてサラサラのブロンドの髪の……」
訝しい顔をしていたルシアンだったが、レーナが口にした特徴を聞いて動きが固まった。
堂々と王太子の最側近であるルシアンの名をかたる、ルックスのいい人物はこの王宮にひとりしかいない。
「お前が調理場へ出入りするようになってから事件が起こったんだ。怪しまれても仕方ないだろう」
男性がそのまま背を向けて建物の外へ出て行き、レーナも男たちに腕をつかまれたまま連れ出された。
「待ってください。五日前、毒でお倒れになる夢を見たとルシアン様ご本人にお伝えしました。私が犯人ならそんなことはしません」
前を歩く男性の背中に向かってレーナは必死で訴えかけた。
あのとき、誰にも話すなと言われていたが、宴が終わった今なら問題ないと思ったのだ。
「なに?」
早足で歩いていた男性がピタリと止まり、怖い顔をして振り返った。
「誰に伝えたと?」
「ルシアン様です。えっと……とても位の高い方で……いらっしゃいますよね?」
男性は眉根を寄せてレーナを見据え、距離を詰めて真正面に立った。
「ルシアンは、私だが?」
レーナは自分の耳を疑った。
しかし目の前の男性がこんな状況で冗談を言うとは思えない。
「私がお会いしたのは……背が高くてサラサラのブロンドの髪の……」
訝しい顔をしていたルシアンだったが、レーナが口にした特徴を聞いて動きが固まった。
堂々と王太子の最側近であるルシアンの名をかたる、ルックスのいい人物はこの王宮にひとりしかいない。



