メルティ・エモーション



謎に幽霊の気持ちを理解していると、灰慈くんが意地悪な笑顔を浮かべた。

「ねえ、夜寝れなくなったらどうしてくれんの」

それは困る。元々入眠導入の為に始めた通話を、灰慈くん用も考えるべきか。そうであれば、久遠寺ふみは誠心誠意を込めて付き合う所存だ。

「もし寝坊したら、ふみのせいで遅刻しましたって偉い人に言ってね?」

「分かった。でも、俺が寝坊したら、ふみは一人で学校に行くことになるんじゃないの」

さらに困ってしまう。

「灰慈くん」

「ん?」

「大人として、寝坊はよくないと思うな!」

「だよな」

灰慈くんは今後寝坊しないで頂ければ助かるし、幽霊さんは早急に成仏してくれるとなお良い。

「(でも、灰慈くんが困っているのは、やだなぁ)」

好きな人は毎日穏やかであってほしいと願うのは、当然の事だ。

「そうだ、わたしがんばって除霊師になるよ!」

スマホ決済で会計を済ませた灰慈くんは、ふは、と吹き出した。