「なんかいいにおいする」
青葉くんが気付いてくれるので、手を翳した。
「香水、新しいのに変えたんだ」
「なるほど。選んでもらったわけね」
「そういうわけです!」
そう、灰慈くんと一緒に選んだあの香水だ。思い出しては頬が緩んでしまう、そんな不可抗力に諦めて、ふふっと笑っていれば、青葉くんはそれを見透かすようにくすりと微笑んだ。
青葉くんは笑顔が素敵だと思う。爽やかビームが出ている。お兄ちゃんや天くんにはない清涼感だ。制汗剤や、スポーツ飲料のCMに出ていても不思議では無いクラスメイトは、何故か友人たちを追いかけようとしない。
「久遠寺って、彼氏にすげー可愛がられてるっしょ」
しかも、理解不能の言葉を告げるから、ふわんとした疑問が浮かぶ。



