メルティ・エモーション


あーあ、やだなあ。

パパを困らせたいわけじゃないの。それは絶対に違う。

本当は行きたいの。家ではぽやぽやしているお兄ちゃんが、かっこよくバスケをしている所を応援したいの。

でもね?最近の予定は、お兄ちゃんたちを中心に計画されていて、わたしは毎回おまけなの。

遊園地だってお兄ちゃんの練習で行けなくて、水族館も、テーマパークも見送りで、夏祭りだって全然時間がなかった。

とっても楽しみにしてたのにさ。

チカにいがバスケの練習を遅くまでしていたのを知っている。チハにいも、家でダンスの練習ばかりしている。

アクティブなお兄ちゃんたちと違って、わたしの習い事は英会話とピアノと学習塾だけなので、塾の宿題くらいしかすることがない。頑張っているけど、お兄ちゃんたちみたいに上手に頑張ることも出来ない。

わたしばかりワガママなのが自分でも許せなくて、じんわりと涙が滲んだ。けれど、泣くのは我慢して、パチンと手の甲を叩く。

──『(パパが帰ってきたら、応援に行くって、ちゃんと言おう!)』

だけど、パパはなかなか戻らなかった。