メルティ・エモーション


自慢じゃないけれど、わたしはおばあちゃんっ子だ。優しくて料理上手でかわいいおばあちゃんが大好きだ。そんなおばあちゃんはわたしが小五から中三までの間、スペインで生活していた。サッカー留学をする流くんの帯同するためだ。

流くんばかりずるい!と、その時はかなりショックで立ち直れなかったけれど、「寂しくなったらすぐに呼んでいーよ」と灰慈くんが言ってくれたのでチャラにした。

「ねえ流くん、今日のおとめ座、なんと一位なんだよ」

それから、流くんとわたしは生年月日がおなじだ。おかげで幼いころの誕生会も合同開催で、流くんを恨んだことも多い。ただ、合同誕生会ということで灰慈くんも来てくれていたから別にいい。

同じ誕生日ということで、ハッピーのおすそ分けをすればぱらぱらとページを捲った流くんの嗄声は「へえ」とどうでもいいような返事を聞かせた。

「流くんはいいことあった?」

「いつもと変わんねえよ。ふみみたいに脳内灰慈畑じゃねえし」

「流くんの頭の中はサッカースタジアムだもんね」

「ふみ、このノート、次の時間借りる」

「え!?次の時間わたしのノートが無いじゃん!?」

叫んでも、流くんは聞く気がない。やっぱり、今日の1位はもう終わりらしい。

《ふみ、今日学校帰りに俺ん家寄れる?》

と、思ったのに。なんと、灰慈くんから連絡が来ていたではないか。