メルティ・エモーション


例えば、好きな人がいたとして、わたしはわたしの恋心を全力で応援するけれど、たまに疲れちゃう時もある。

そんな時、わたしの周りにいる誰かがほんの少しでもいいから、わたしのことをがんばれって言ってくれたら、それだけでグラウンド一周出来ちゃうくらいパワー漲るものだ。わたしは単純だから、世界一周くらいはしているはず。

わたしはきっと、思うよりずっと、誰かに助けられながら育てている。わたしの中の、恋心を。


今日はいいことがありそうだと思った一日。灰慈くんに会えたし、りるちゃんにとびきりの応援をもらったから、もちろんいい一日になる予定だった。

だけど、授業でたくさん当てられちゃうし、ひとりでいる時に話したこともない先輩に声をかけられちゃうし、友達の社会人彼氏の浮気は本当だったみたいだし、わたしの運勢は朝の時点でキャンペーン終了してしまったらしい。

「(灰慈くんからの連絡も来ないなあ)」

ごく稀に、平日の灰慈くんはメッセージをプレゼントしてくれることがある。

定期的ではなくゲリラ的なそれだから、わたしはうかうかしてられない。

だから休み時間、ひとりで暇なときのわたしは大体灰慈くんとのやり取りを見返しながら、お仕事中の灰慈くんを想像したりして、ついでに、連絡来ないかなあって欲張ったりする。

わたしの恋はいつも一方通行なので、高望みはしない。