そのうち、わたしの人見知りが少しでも良くなるようにって、灰慈くんは良くお家に遊びに来てくれた。
どんぐりやお花、ピカピカのビーズにぷっくりとしたシール。わたしが大好きなものを灰慈くんにあげると、灰慈くんはいつも受け取ってくれた。
絵本を読んでくれた。お姫さまになりたいなと話せば、ふみはもうお姫さまだよと言ってくれた。感情が爆発しかけた。
絵を描いてくれた。将来は絵を描く人になるのと聞けば、なるわけないよって、灰慈くんは寂しそうに笑った。もったいないなって思った。
年が離れていることは最初から知っていた。
恋愛対象として見られていないことは分かっていた。
そんなものは一切合切取り払い、問答無用に落ちてしまうのが恋で、彼という引力に引き寄せられたわたしは衛星だ。
もうずっと、一方通行だとしても。ずっと遠くで、目映く光るお星様に少しでも届きたくて、ゆっくりと空にのぼるわたしはシャボン玉。
どうか途中で割れませんように。
どうかあの星に届きますように。
そんな願いを込めて、手探りで空を旅するの。
お星様には届かないことくらいわかってる。
だけど少しでも近づいてるといいなって、思うだけなの。



