メルティ・エモーション



勝手にフリーズしたそいつらは、すぐに溶けていく。

「まって、どんな事があっても女に全く干渉しないのが雪だろ?」

「そうよ。浮気されても、浮気じゃなくて言い訳を始めたのが面倒で女を振るような男でしょ、あんた」

「自分から脱いで、一から十まで相手に任せて、置いて帰っても文句言わないような、後腐れのない女が楽って言ってたよね?」

ごもっともだ。さすが入社以来毎日のように顔を合わせているだけあって、俺の性格を知っている。

「酷い言われようだな」

しかし、四年の付き合いだろうと、十年の付き合いだろうと、詰まるところ、俺の本心は誰も知らない。

「否定しない……?」

「落ち着きなさい、雪平。あんたが本命を作ったら、雪平ロスで会社のバランスが崩れる。ちょっとは自分立場を弁えて、みんなの雪平でいなさいな」

「そうだよ、雪平、考え直して!?」

「あのな、俺、なんも言ってねえけど」

これ以上いてもうざそうなので、用が済んだらさっさと退出を決める。