メルティ・エモーション


宝物を紡ぐような言葉だった。まるで夢みたいな。

そう。

どこか現実的じゃないと感じてしまうのは、わたしを大事にしてくれるひとが他にもいるからだ。

「わたしも一緒がいい。もちろん、それは絶対。でも……多分、パパが許してくれないと思うなあ」

わたしが自由であるのは、時に不自由なほどの愛を注いでくれる両親がいるからだ。

灰慈くんも知っているはずだ。しかし彼は、まったく動揺することなく、落ち着いていた。


「パパは説得した」


お星様は、ずっと、まぶしい言葉を聞かせる。現実的じゃない言葉を、夢みたいな現実を。


「……説得したの?」

「したよ。大人だから」

「パパ、なんて?」

「学生のうちは久遠寺家の娘であってほしいって。その後は、自分たちで決めろって」

「(学生のうち……)」


ということは、つまり……。

憧れていた現実が、わたしに向かって手招きする。