メルティ・エモーション




その足でハイプリの投票にも行った。気が引けたのだけど、灰慈くんが見たいと言ったので行くしか無い。
A4サイズに引き伸ばされた、写真部自慢のポスターがずらりと並んだ会場。学年もクラスもランダムに貼られたポスターは、わたしも初めて見た。

「ふみがいる」

「ふみがいました。かわいい?」

「うん。写真撮っていい?」

「えっ、」

返事よりも前に、灰慈くんはわたしに向かってスマホを向けるので、あわてて写真とおなじポーズをつくる。灰慈くんは満足そうにうなずき、それから「みて」とスマホをわたしに見せた。わたしの写真が収められたそのアルバムには”ふみ“の名称と、右上にはお気に入りを示す、ハートがくっついている。

「わたしのフォルダがあるの?」

「……スマホが勝手にふみを認知しはじめたんだよ」

「ほんとに!?うれしい!もちろんわたしのスマホは最初から灰慈くんを認識してるよ」

「初期設定でそれはすごいな」

「優秀でしょう〜」

気を良くしたわたしは、自ずと笑顔になる。