隣を見上げる。きらきらとした装飾品の中でも、灰慈くんは、ひたすらに輝いている。普段横に流れている前髪も高校生仕様なのか下ろされている。それから灰慈くんは第二ボタンまで外すタイプらしく、シャープな顎のラインと、首元の筋が強調されていて素敵だ。
ゆるく収まっているシャツの裾。華奢だけど骨太な腰周り。ああ、どこを切り取っても見飽きることがない。自然と涙がにじんだ。けれど、泣いたら灰慈くんに迷惑がかかるので絶対に泣かない。
「ふみ、見すぎ」
あまりに見すぎて、叱られてしまった。
けれど、勿体なくて目が離せないのも許して欲しい。
「灰慈くんがいる」
思う存分に灰慈くんを眺めたあと、当たり前の感想を口にする。
「いつもいるけど」
灰慈くんもまた、やさしい言葉を息をするみたいに言ってくれる。だからわたしはいつも安心できる。たとえば迷子になっても、灰慈くんはわたしをすぐに見つけてくれるんじゃないかって、漠然とした確信を持っているからだ。



