「!」
わたしの視線はすぐにその人を捉えた。青葉くんと一緒にいるのは灰慈くんだ。まちがいなく、灰慈くんだ。けれど様子がおかしい。わたしの視力がおかしくなった訳ではない。おかしいのは、灰慈くんの方だ。
キャメル色のブレザーと、チェックのスラックス、紺色のネクタイ。
ドアの前にいたのは、うなじに手を添えてとっても気まずそうな、舜珱の制服姿の灰慈くんだった。
「は……灰慈くん!?なんだか高校生みたいだよ!?」
知らない人がみたら、卒業生だなんて思わないだろう。それくらい制服姿に違和感がない。
でも、どうして?
疑問を教えてくれたのは灰慈くんだった。
「ふみが言ったんだろ、一緒に制服が着たかった。って」
言いました。まちがいなくわたしが言いました。けれど、このタイミングで着てくれるなんて思いもしないじゃないの。やっぱり灰慈くんはふみ泣かせで、わたしを甘やかす天才だ。
「でも失敗した、ふみは制服じゃねえよな……」
「……!!」
もう、ふみは胸がいっぱいだ。
「りるちゃん!わたし、着替えてくる!灰慈くんをよろしく!!!」
「うん。そうしなよ」
お言葉に甘えて着替えることにした。



