メルティ・エモーション



「ありがとう、代わりに話してくれて」

ぎこちなく伝えると、青葉くんは、ううん、と首を振った。

「……怒ってた?」

「怒ってたというよりも、心配してた」

「(そっか……)」

申し訳ないな、という気持ちを取り除けば、どうしようもなく好きだけが残る。わたしが上手に飲み込めないだけで、灰慈くんは何も悪いことはしていない。

「今すぐは無理かもしれないけど明日の約束もあるし……早めに連絡するね」

「がんばりなよ〜」

二人が応援してくれると、本当に頑張れそうだ。


けれど実際は頑張れそうってだけで、家に帰ると途端に弱々モードのふみの完成だ。あとで電話をかけよう、メッセでもいい、引き伸ばした結果もうこんな時間だ。灰慈くんからメッセージだって一度もない。自室のベッドの上でメッセージを打っては消していると、ノック音が聞こえた。

「ふーみ」

扉からひょこっと顔を出したのはママだ。

「どうしたの?」

身体を起こすと、「これ」と言ってママはわたしのベッドに腰掛け、ビニール袋を渡した。中にはフルーツ味ののど飴がたくさん入っていた。