メルティ・エモーション



「あの人、舜珱の卒業生なら灰慈クンと同い年くらいじゃないの?」

わたしが内装をほめちぎったから店内で食べることにした。動画を三人で撮って、りるちゃんと二人で可愛いね、なんて言っていると、青葉くんがお姉さんに焦点をあてた。

「確かに……お姉さん、灰慈くんのこと知ってるかな?」

「有村のドリンクを持ってきてくれた時、聞いてみようか」

青葉くんが提案する。気になることだし、迷うことなく頷こうとした。

「ていうか気になってたんだけど、久遠寺先生の娘さんだよね?」

けれどそれより先に、そのタイミングでお姉さんの質問が届く方が先だった。

「珍しい苗字だもん。さっき呼ばれてたの聞いてピンと来た。あと、輪郭が久遠寺先生にそっくり」

お姉さんが目を細める。ほとんどママ似と言われるから、パパに似ているなんて初めてかもしれない。

「久遠寺先生、元気?」

「とっても元気です。もう、元気すぎてうるさいです」

「今日もハイプリの撮影の時、久遠寺先生やばかったよね」

りるちゃんが同意すると、「ハイプリ!懐かしい〜」と、お姉さんはさらに表情を崩した。

「お姉さんもハイプリに出ました?」

「一応ね。あ、いらっしゃいませ」

話が花開こうとしたその時、来店があったのでお姉さんが離れてしまった。「わー!」と言うこえを聞く限り、どうやらお客さんはお姉さんの友人らしい。