メルティ・エモーション



「りんご飴?どこも一緒じゃん」

美味しいものは布教したくなるものだ。灰慈くんのことでご存知だと思うけれど、特にわたしは好きなものをみんなに紹介したくなる性格らしい。

「美味しいんだって!」

というわけで、学園祭準備終わりのりるちゃんと、青葉くんを誘ってあのりんご飴のお店へやって来た。学園祭の準備は順調そのもので、今のところ問題なく進んでいる。あと十日後はついに学園祭。今日はハイプリ用の写真を撮った。パパ同伴で、写真部の人がちょっと可哀想だった。

「いらっしゃいませー。あ、また来てくれたんだ」

「はい。来ちゃいました」

「今日はお友達も一緒なんだね〜」

週に二回も通っているから、制服というより顔を覚えられているのかもしれない。

「久遠寺のおすすめってなに?」

「わたしはホワイトチョコ推しかなあ……と言ってもこれしか食べたことないんだけど」

「塩キャラメルと、ピスタチオもおすすめだよ」

迷っているとお姉さんが囁くので、すぐさま「塩キャラメルにします!」と推し変すれば「じゃあ俺はピスタチオにする」と、青葉くんは悩んだもうひとつを注文した。