メルティ・エモーション



「可愛いお店ですよね」

お店が閑散としているのをいいことにキョロキョロと周りを見渡した。前回対応してくれたお姉さんは「でしょう」と誇らしげだ。

「内装にもこだわったんだ。ひとりみたいだし、中で食べていく?」

「おじゃまします!」

「あはは、かぁわいい〜」

いちおう弁解しておくと、私の人見知りは改善されたわけではない。現在進行形なのに、お姉さんは店員だからか、とてもスムーズに話せた。店内もフォトスポットがたくさんあって、たとえばテーブルと椅子をとっても可愛いし、ライトの位置だとか、差し色だとか、ミニチュアのジオラマだとか、どの部分を切り取っても可愛いが散りばめられていて、きゅんとした。

「(このインテリア、素敵だなあ……)」

間違いなくお気に入りのお店となったことを確信していれば、お姉さんが切り分けたりんご飴を専用カップに入れて渡してくれた。

「舜珱ってもうすぐ学園祭でしょ?前夜祭の告白タイムとかまだあるのかな」

「そうみたいですね〜。でもわたし、あまり関係ないですけど」

「え、すっごく告白されてそうなイメージだけと?」

「あー……えっと、確かに誘われるんですけど、好きな人がいるんでお断りしているんですよ」

「え〜?じゃあ、自分から告白に行っちゃいなよ!」

「実は、わたしの好きな人って舜珱の生徒じゃないから告白タイムは関係ないんですよ」

「ああ、そっかそっか、他校生なんだね」

他校生でもないんだけどなあ……