灰慈くんはためらうことなくベッドに座るから、手を繋いだままのわたしも、促されるような形でベッドに座る。
「はい、どうぞ」
寝転んで、と言われて図々しく寝れるほどわたしは厚かましい性格をしていない。
「いえ、あの、灰慈くんからどうぞ」
「じゃあ一緒に寝転ぶか」
「っえ」
灰慈くんがわたしの肩を押す。重力に身を任せ、すとん、とベッドに身を預けると灰慈くんは微笑みながら「ふみは簡単に、押し倒されちゃうな」と、困惑をにじませた。軽い女だと思われるのは心外だ。
「そんなことないもん、」
「そんなことあるからこうなってる」
「そうだけど……」
灰慈くんの手がわたしの手から離れると、よしよしとわたしの頭を撫でる。
「おっきいベッドだよね」
「俺、寝相悪いから」
「そうかな」
さっきまであんなに申し訳ないとか、ドキドキした気持ちはあった。けれど、ベッドの心地良さと暖かさで思わず目を閉じる。大量発生した眠気達の夢を叶えるように、意識を落とそうとした。



